2017年の本たち

早いもので年末です。お年玉をあげる側の年齢になったのが辛い。
私は現在、鎌倉に篭って執筆合宿なわけですが、原稿を書かないといけないときに限ってブログの執筆をしたくなったりしちゃうわけです…まあある種の気分転換ということで。
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※写真はまっつ撮影。中央が私。

2017年12月の本」でも書きましたが、なんとか「x年y月の本」シリーズも一年完走できました。
数えてみたところ、今年一年でブログに掲載した本は172冊でした。もちろん全部まるっと読んだわけではない本も含まれているし、論文や再読のものは掲載していません。

これまでは非常に狭い分野での読書をしてきたこともあり、今年は色んな分野の良著と出会えたなという印象があります。
以下では、いくつかの部門に分けて、五冊ずつ特に面白かった本を紹介したいと思います。コメントは既に書いているのでほんの一言のみで。

新書・文庫部門
  • 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ 』

笑いと涙がちょちょぎれる。

  • 辻田 真佐憲『文部省の研究:「理想の日本人像」を求めた百五十年 』

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明快な整理。

  • 菅野 覚明『武士道の逆襲』

武士のエートスとその後。

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博覧強記を垣間見る。

  • 『語る藤田省三――現代の古典をよむということ』

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読み、語ることの名人芸に接する。

文藝部門

やや広い意味での分類かもしれませんが、あしからず。

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日本語の多様性を味わう。

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天才に触れる。

言葉のもつ力に圧倒される。

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這いよる怪奇なものたちとの遭遇。

  • 山本 貴光『文学問題(F+f)+』

来るべき文学のプログラムをともに。

入門書/非専門書部門
  • 植村 玄輝、八重樫 徹、吉川 孝編『現代現象学―経験から始める哲学入門』

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哲学としての現象学へ、最良の道。

  • 原 武史『日本政治思想史』

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新しいスタンダードになるか。

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類書は多いが、個人的にはこれを推す。

  • 眞嶋 亜有『「肌色」の憂鬱 - 近代日本の人種体験』

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文学のなかの政治的なもの。

  • 大浦康介『対面的』

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良質なエッセイとして。

専門書部門

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圧倒的な業績。

  • 植村玄輝『真理・存在・意識:フッサール『論理学研究』を読む』

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フッサール研究の最先端。歴史が変わった。

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ハイデガー研究の新展開。

  • 唐沢 かおり『なぜ心を読みすぎるのか:みきわめと対人関係の心理学』

他人というやっかいだけれど、なくてはならないなにか。