研究中途報告
TwitterやFacebookにて報告致しましたが、4月より島根県の津和野というところで働くことになりました。
現時点の予定では、一年間現地で働き、来年度はまた研究の方に戻ってきたいと思っていますが、正直なところどうなるかわかりません。
ということで、一度これまでの私の研究を――大したものもありませんが――まとめてみたいと思います。
ーーー
[追記]:2016/06/01
記事作成以降発表したものも追加で書いていくことにします。
[追記2]:2016/12/22
研究業績などは以下の個人ページにまとめることにしました。
今後はこちらを御覧ください。
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【学位論文】
【投稿論文】
- 「瞬間・メシア・他性 ――『実存から実存者へ』の時間論分析――」、『哲学の探求』、哲学若手研究者フォーラム、第 42 号、pp. 315-334、2015 年。[ PDF ]
【口頭発表】
- 「瞬間・メシア・他性 ――『実存から実存者へ』の時間論分析――」、哲学若手研究者フォーラム、早稲田奉仕園、2014年7月19日。
iPad mini×i文庫HD×物書堂の辞書で研究環境を整えてみた(追記あり)
買ってしまったiPad mini。
とはいっても、最近発売したRetina版ではなく、2012年発売のMD529J/Aです。容量は32GB。
中古で27,000円ほどで購入。
以前kindlePWを買った時、「これさえあれば、iPadなんて必要ないんや!」などと強がってみましたが、やはりアプリの充実や操作性を考えると段違いです。
◯選んだポイント
・なぜ今更先代のminiか?
iPad airという選択肢もあったのですが、やっぱり高いのと、片手で読め、通学時間でも活用しやすいminiにしました。
また用途は基本PDFリーダー(文献読み)です。それゆえ別に画質に固執する必要はないと思い、非Retinaにしました。
音楽や動画を入れたりはしないので、16GBでもおそらくは問題ないのでしょうが、ビクビクしながら使うよりはある程度余裕をもって使いたかったのと、偶然安い中古を見つけたので32GBにしました。
結果として、とても満足しています。
◯使用法
以下、iPad miniを文献読みツールとして使うときに便利なアプリとともに紹介したいと思います。(先輩の受け売り)
まずiPadのブックリーダーアプリとしては、i文庫HDがおすすめです。
長所として、①DropboxやEvernotなどとの連携機能あり、②しおりをつかってハイライト&メモを埋め込むことも可能(あるいはそのメモをエバノに送信も可能)、③検索機能あり、④「辞典Appで検索」機能に対応が挙げられます。②〜④はPDFの場合、文字認識がされていることが前提ではあります。
とくに文献読みツールとして使うとき、④「辞典Appで検索」機能に対応していることが役立ちます。(なお、①〜③については、「iPad mini i文庫HD」とかでググれば素晴らしい紹介記事があるのでそちらを参照してください)
「辞典Appで検索」機能とは、他のアプリケーションから呼び出して辞書検索を行うものです。
辞書アプリを持っていれば、外国語文献を読む際、調べたい単語をワンタッチで引くことができます。
そこでi文庫HDの「辞典Appで検索」機能を活用するためにおすすめなのが物書堂の辞典アプリです。
設定は簡単で、i文庫HDから設定→アプリケーション連携を選び、持っている辞書のURLを物書堂のサイトやi文庫HDのアプリケーション連携のページを参照して打ち込むだけです。
◯参考までに使ってみた例
これは『レヴィナス全集』第一巻所収の「捕囚手帳」の最初の草稿頁です。(自分で自炊したもの、OCR処理済み)
まず調べたい単語を選択し、[その他]を選ぶと、
このように、連携した辞書アプリが選択できます。
ロベールへ。テクストに戻るのもワンタッチで出来ます。
私はウィズダム英和とロベール仏和のアプリを持っているので、英語と仏語の文献であれば、上記のようにiPad miniだけでストレスなく読み進めることができます。しかも全てオフラインで。
あとは小学館の『独和大辞典』アプリが出ると最高にうれしいのですが、どうなるやら。期待したいです。
(追記)
物書堂さんのtwitterアカウントより、『独和大辞典』のアプリが来月リリースするとのお知らせをいただきました。
これは買いでしょう!
(追記の追記)
物書堂より『独和大辞典』のアプリがリリースされました。
https://itunes.apple.com/jp/app/xiao-xue-guan-du-he-da-ci/id806184320?mt=8&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
2月末まで4,000円でのセール販売とのこと。
もちろん私も即買いしました。これで英仏独の文献が楽々読めるとともに、電子辞書を持ち歩く必要さえ薄れてきました。
無料OCR化サイトi2OCRを使ってみる。
使ってみたサイトはi2OCR
画像ファイルを無料でOCR化してくれるというサイトで、登録なしで簡単に利用できる。
日本語を含め60以上の言語に対応しているというのも嬉しい。
以下、使い方と感想。
・例として自分でPDF化したフランス語論文(OCR化していない)を使ってみた。
■使い方
i2OCRは、JPG - PNG - BMP - TIF - PBM - PGM - PPMには対応しているが、PDFには対応していない。
①そこで、まずPDFをJPGに変換する。
macの場合、プレビューで開き、[ファイル]→[書き出し]→JPGを選び、保存するだけでOK。
(winの場合は無料のファイル変換ソフトがいくらでもあるのでそれを利用)
②あとはサイトの指示にしたがって、ファイルを選び、言語を設定、実行で終わり。
ただ大きめのファイルだとやや時間がかかる。
③OCR化が完了すると、以下のような画面になる。
左下がコピペ用。その他にDownloadボタンからtext, doc, pdf, htmlなどのファイルでダウンロードできる。
■感想
・フランス語だと、まあまあ正確に認識してくれたようだ。しかしpdfでダウンロードしたところ、アクサンなどに多く文字化けが見られた。左下のコピペ用のほうがまだマシ。
・日本語で試したところ、残念ながら使える代物ではなかった。
・正直無料だし、まあこんなものかという感じ。試みは素晴らしいとは思う。
『全体性と無限』・『存在の彼方へ』原典ページ対応表/ poche致命的誤植集(暫定版)
卒論用整理の副産物part2です(part1は前回のテクスト索引/著作目次一覧)。
レヴィナスの哲学的主著といわれる『全体性と無限』および『存在するとは別の仕方であるいは存在することの彼方へ』(以下『存在の彼方へ』と略記)の仏語原典には、それぞれPhaenomenologica第8 巻、第54 巻として出版されたいわゆるAcademic版と普及版であるLe Livre de poche版が存在しますが、両者では頁づけが異なっているので「ズレ」があります。
最近は、Phaenomenologica版の入手がやや困難(とくに『存在の彼方へ』)なこともあってか、研究書及び学術論文などでも国内外でpoche版の頁数を引用する論者も多いのですが(とはいえ、poche版には稀に誤植がある。)、依然として正式なアカデミック版を好んで使う論者もおり、あるいはpoche版出版以前のテクストの引用箇所にあたるためには、後者が必要になってきます。
そこで目次に即して節ごとに両者の対応を示し、大雑把ではありますが、少なくとも一方を持っていれば他方の該当箇所を容易に探し出し、把握可能にすることを目的として作成しました。したがって、1ページごとの対応は調べることはできません。
なお現在フランスで、草稿や遺稿、未完講演原稿などを含めた『レヴィナス全集(著作集)』(Œuvres complètes, Paris, Grasset/Imec, 2009-)が刊行中で、その第5 巻に『全体性と無限』・『存在の彼方へ』がともに所収される予定であるが、その際にいかなる頁づけがなされるかは予想できません 笑
また、これはあくまで試作版なので、「こうやった方が良いんじゃないか?」みたいなアドヴァイスが頂けると幸いです。
ファイルは以下のリンクから閲覧・ダウンロード可能です。
◯『全体性と無限』・『存在の彼方へ』原典ページ対応表
TI,AEページ対応表.pdf - Google ドライブ
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◯『存在の彼方へ』poche誤植(暫定)
上記のように、poche版には稀に誤植が見受けられる。
その多くは些細なもの(,と.の打ち間違え、打ち忘れ等)だが、ときに致命的なものもある。
とくにその重大な誤植は『存在の彼方へ』に多く*1――仏語話者にとっても特異な文体であり、難解な意味内容のため誤植に気づかないからだろうか――、以下私が発見したものをここにリスト化していきたい(致命的なもののみ)。
他の誤植箇所を見つけた場合はお知らせいただけると幸いです。
・poche p.163, l.16.
☓:...dans la responsabilité...
◯:...de la conscience...
・poche p.198, l.19
☓:...l'opposé...
◯:...l'action...
【随時加筆修正あり】レヴィナス邦訳テクスト索引/著作目次一覧
以前から卒論用の整理兼暇つぶしで作っていたもので、親しい人には見せていたのですが、もし需要があればということで公開することにしました。以下google driveより閲覧・ダウンロードできます。
どちらもレヴィナスのテクストに気軽にアクセスできるようになることを目的とし、重複や版の異同も含め、読みたいテクストがどの本に所収されているのかを検索しやすいようにしたものです。基本的に邦訳のみを扱っていますが、それはあくまで上記の目的のためです。とはいえレヴィナスに関していえば、かなりの数のテクストを日本語で読むことができ、訳にも恵まれていると思います。
研究で使う際の原典やその初出のデータにかんしては、すでに目録やWebサイトがあるのでそちらを利用すべきでしょう。(テクスト索引のはじめの方に挙げておきました。)
※間違いなどありましたら、コメント欄かTwitterアカウント(@m1s4m1)までご教示いただけると幸いです。
※修正などした場合は、追記でお知らせします。
→2018/07/30更新
・私家版 レヴィナス全邦訳書籍目次
レヴィナス目次_ver.8.pdf - Google ドライブ
・私家版 レヴィナス邦訳テクスト索引
kindle paperwhite使用感など
ついにkindle PW 3Gを購入。
選んだポイントや使用法など書いておきます。
◯選んだポイント
・なぜkindleか?なぜPWか?
電子書籍端末は色々あるが、いまのところ市場の大きさから言ってAmazonが独走状態だと思うので、他社製品はそもそも考えなかった。
もちろんPCやiPadなどでもkindleアプリを使えば読めるのだが、目が疲れる。その点kindleの電子ペーパーはやはり読みやすい。
加えて私は集中力散漫なので、タブレットだとついついTwitterを開いたりしてしまうので読書に専念できるものが良かった。
ちなみにkindleには充電器がついていないが、USB用のものなら使えるので無理に買う必要はない。私は先代のiPhone付属の充電器を使っていますが問題ありません。Amazonの正規品はなんか早く充電できるらしいので欲しければどうぞ、という感じ。
・なぜ3G版か?
これは単に私が持ち運びできるwifiルーターなどを持っていないから。持ってる人はwifi版のほうが安いしそちらで良いと思う。それにしても3G無料というのはかなり太っ腹。
・アカウント
国外用アカウントを使用。あえてjpアカウントとは統合していない。
そもそも私が新刊で小説や漫画を買う機会は少なく、買うとしたら研究書がほとんどなのだが、邦語研究書のkindle化は全然されていないのが現状。そもそも研究書を含め電子書籍の普及率は洋書の方が圧倒的だ。
usでは売っていてもjpでは売っていない電子書籍も多く、あとあとアカウントをjp版に切り替えて使うことは可能なので、わざわざ電子書籍へのアクセサビリティを減らしてまで統合するメリットはないと判断しました。
◯使用法
・用途
基本英語文献を読むために使う予定。はじめからプログレッシブ英和中辞典が入っているのでそこまでは困らないし、MOBI対応の英辞郎を入れることも可能(有料)。とりあえずはデフォのままで使ってみる。
本当は仏和辞書を入れたいのだが、やり方はあるもののわからず試行錯誤中。
方法としては、ロワイヤル仏和中辞典付属のCD-ROMをEPWINGに変換して云々、無料の仏和辞書をmobi形式に変換して云々とあるが、後者はMacに対応してなかったりで作業停止中。知ってる人いたら教えて下さい…
・自炊(追記)
kindleは自炊にはあまり向かないのだが、出来ないわけではない。
やり方はいくつかありますが、簡単なのはkindleをPCにつなげて①そのままPDFをぶち込む、②PDFファイルをmobi変換してぶち込む、③Amazon公式のアプリSend to Kindleを使う、です。
①の利点としては、ページズレや文字化けがないことが挙げられます。その一方でkindleではpdfの縮小・拡大をこまめに調節することが出来ず、余白が多く文字も小さく表示され、読むづらいというデメリットもあります。余白については、PDF Scissorsというアプリ(無料)で削ることができるのですが、kindleに移した際にそれが反映されず!(なにか知っている人いたら教えて下さい)、他の読書ツールに比べ使い勝手は良いとは言えません。
②のmobi変換した場合、少々の文字化けとページズレが出てしまうデメリットがあります。PDFファイルをmobi変換する方法は、Calibreというアプリ(無料)を使うのですが、こちらのブログ記事が大変分かりやすかったです。
ちがいはmobi変換されたもののほうが、文字がかすれにくいという点が挙げられるようですが、正直一長一短というところです。mobiに変換するとkindle上でフォントの大きさや行間、余白の設定ができるので、個々のテクストに合わせてこれらの設定をいじってなんとか読みやすいベターな環境を作って読むことはできます。
③のSend to Kindleを使った場合、kindle用のファーマットを使うか否か選ぶことができ、選んだ場合②と同様ページズレが出てしまうのですが、いくつか試したところ、よりオリジナルに近い状態が保てます。使い方は簡単で先のリンクからDLし、Macならアプリにファイルをドロップするだけ。これでAmazonが勝手にkindleへファイルを変換し、送信してくれます。
試してみての感想としては、「やっぱりkindleは自炊にはあまり向かない」です。
差し当たり書籍などのページ数の多いpdfファイルに関しては、③の方法がベターです。なにかいい方法(PDF Scissorsの設定の反映の仕方など)を知っている方がいればぜひご教授ください…
いまのところこんな感じ。
臨時収入で買ってみたけどかなり快適ではあるのでオススメです。
お世話になった/なっている独・仏語参考書
この夏はかなりの時間仏語に費やしたので、ある程度は読めるようになったと思いたい今日この頃ですが、自分の整理がてらまとめをつくってみます。独語は一年の頃から履修しており、参考書はあまりやっていないのですが、一応載せておきます。
◯独語
・辞書
『アクセス独和辞典 第3版』
中辞書の中ではこれが見やすく、初学者に丁寧なつくりだと思います。
『独和大辞典』(小学館)
きっちりやるなら持っておきたい。
・文法
高田博行『素朴なぎもんからわかるドイツ文法 』
独学用の初級文法は使った限りこれが一番わかりやすかった。
尾崎盛景『自習ドイツ語問題集』
初級文法書では載っていないもの、あるいは詳しい説明をみたいとき用には、
より専門的には、
在間進『詳解ドイツ語文法』
・読解
読解は大学の授業任せだったので、ほとんど参考書はやっていないのですが、授業で扱った本でためになったのは、
『時事ドイツ語』です。ただ訳はついていないので、独習には向かないと思いますが…
また、本屋でパラっと見た限り、
鷲巣由美子『ドイツ語を読む』はなかなか良さそうでした。
中級以上の参考書では、
阿部賀隆『独文解釈の研究』
横山靖『独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (1)、(2)』
[asin:4261071339:detail][asin:4261071347:detail]
が有名で評価も高いです。僕も後者を気が向いた時にちまちまやっていますがなかなか進まない 汗
◯仏語
仏語は完全に独学で、且つまだまだ勉強中なので、大口叩いて言うことはできないのですが、僕にとって役立ったものを紹介していきます。
・辞書
『ロワイヤル仏和中辞典 』(旺文社)
の電子辞書ver.を使っています。紙辞書にはCD-ROMがついていて、お得ではあります。
大辞書なら、
が有名ですが、持っていないのでなんとも…
・文法
最初は大学一年生の授業で使うような薄い教科書を一通り読みました。
その後、アウトプットとして、
國枝孝弘『基礎徹底マスター!フランス語練習ドリル (CDブック)』
を。やはり問題を解く作業がないと定着は難しい。
他にも、僕は使っていませんが、定評のある参考書に、
中級以上では、
目黒士門『現代フランス広文典 』
新倉 俊一『フランス語ハンドブック』
が双璧をなすと言って良いでしょう。
とことんやるなら、
朝倉季雄『新フランス文法事典』
語法に関しては、これが丁寧。仏作文にも有用。
ポール・リーチ『現代フランス語法辞典 』
[asin:4469051667:detail]
・読解
島田実『やさしい仏文解釈』
文法を終えたらこちらに進むのがおすすめ。収録された文章はエッセイ風の柔らかいものが多いが、いろいろな種類のテーマがありおもしろいです。ド・ゴールの演説やルソーの文章も載っています。
川本茂雄『高等仏文和訳演習』
入門のあとにはこれを。僕は現在(2012/9月末)こちらをやっている途中です。
結構古い本ですが、短めの文章を精確に読む練習にはもってこい。amazonのレビューにもあるように、問題を和訳する際に解説が見えないように、また解説を読む際に常に問題文を参照できるよう配慮されたつくりなっており、解説もありがちな参考書のように簡単な文法説明と語彙が載っているだけではなく、ありがちな誤訳例などを引き合い出しながら丁寧な説明が記されているので、独習者には最高の本だち思います。はしがきにもあるよう「大学で一年間毎週二時間みっちりと教授から直接指導を受けるのに勝るとも劣らない効果」が期待できると思います。
また、仏文に慣れるためアルベール・カミュの『異邦人』の原書を読んでいます。なんとカミュ本人による朗読CDがあるので、それを聴きながら発音の勉強にも役立てています。
とりあえずは以上です。僕の場合、あとは読書会や大学の原典講読で鍛えてもらっています。
―――
(2012/11/12追記)
・発音
上記のように、仏語は独学なので発音が非常に悪いので、発音の参考書を買いました。類書はたくさんあるのですが、コレにしました。
カナ読みではなく、とにかく発音記号を身につけさせるもので、説明も丁寧で口の構造のイラストもわかりやすい。
―――
(2013/01/29追記)
・文法
最終確認&復習用に、
西村牧夫『解説がくわしいフランス文法問題集』
・作文
手始めにこれが評判良いとのことなので、
山田博志, フランク ヴィラン『1からはじめるフランス語作文 』