2020年3月の本

コロナで大混乱ですね。
ここ最近はもっぱら発表のための二次文献の消化にあたっており、新年度にならないと研究費もないのであまりご紹介できません。友人・知人の本が次々とめでたく出版されていますが、購入は新年度以降にさせてもらいます。

「今月の本」のルール

  1. 毎月読んだ本をリストにしてブログを更新。
  2. 専門的な論文などは除く。
  3. 読んだと言っても、必ずしも全頁を読みきったことは意味しないし、再読したものもある。
  4. とはいえ、必ず入手し、本文に少しでも目を通すことが条件。
  5. コメントを書くかどうかは時間と体力と気分次第。

ご献本いただきました。ありがとうございます!
対談形式になっており、読みやすい。古代の賢人の言葉に耳を傾けると少し楽になる、そんな日常に寄り添う哲学書です。
クセジュの『ストア派 (文庫クセジュ)』と一緒に読むとよりストア派の魅力を堪能できるのではないか。

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マーロウ引き続き。自分なりにあーだこーだ考えてから村上春樹のあとがきを読むのはなかなかに楽しい。こちらの3作だが、『ロング・グッドバイ』や『大いなる眠り』に比べてしまうとやはり質は落ちると言わざるをえない。
まずは、『高い窓』と『水底の女』だが、いずれもマーロウ節は健在。しかし、前者には概ねプロットに混乱はないとはいえ、なんとも登場人物に魅力がない。それに対して、後者は登場人物にそれなりに魅力はあるが、プロットは薄く、掘り下げに満足感がない。『リトル・シスター』は、今のところワーストで正直読むのが辛かった。もっと掘り下げれば魅力的なキャラクターもいるが、隔靴掻痒という感じで、内容のプロットも混乱気味で、マーロウのキャラも幾分滑っている。若いマーロウから『ロング・グッドバイ』の魅力的な中年マーロウへの過渡期であるために、仕方のないことなのかもしれないが。もちろん光るところなんかもあって、マーロウがカリウム・シアン化水素を盛られたときの描写なんかはすごみがあってよい。

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相澤冬樹氏による記事「森友自殺〈財務省〉職員遺書全文公開 『すべて佐川局長の指示です』」のために購入。
思わず胸が締め付けられる記述だった。抱いた雑感としては、内田樹先生のものに近い。
なお、こちらはWEBで無料公開となったとのこと。