2019年4月の本

新年度ですね。私は年甲斐もなくピカピカの一年生です。

「今月の本」のルール

  1. 毎月読んだ本をリストにしてブログを更新。
  2. 専門的な論文などは除く。
  3. 読んだと言っても、必ずしも全頁を読みきったことは意味しないし、再読したものもある。
  4. とはいえ、必ず入手し、本文に少しでも目を通すことが条件。
  5. コメントを書くかどうかは時間と体力次第。

POSSE vol.41

POSSE vol.41

瀬下との連載が載っております。タイトルは「空白地帯と制作のリズム――二拠点活動の模索」。「それぞれの町で」というこのリレー連載、自分で言うのもなんだけど、結構粒ぞろいなのにあまり読まれていない気がする。ユートピアでもディストピアでもない仕方で「地方」で生きたり活動したりということに関心がある人に届いてほしい。

  • 『フィルカル Vol. 4, No. 1』

フィルカル Vol. 4, No. 1 ―分析哲学と文化をつなぐ―

フィルカル Vol. 4, No. 1 ―分析哲学と文化をつなぐ―

  • 作者: 一ノ瀬正樹,稲岡大志,石井雅巳,酒井泰斗,朱喜哲,長門裕介,横地徳広,山田圭一,野上志学,大畑浩志,銭清弘,三木那由他,佐藤邦政,ドナルド・ジャッド,河合大介,谷川嘉浩,萩原広道,しゅんぎくオカピ,源河亨,飯塚純
  • 出版社/メーカー: 株式会社ミュー
  • 発売日: 2019/03/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ポピュラー哲学」特集内で、書評を2本書かせてもらいました。他にも自由論や時間論の入門連載、『映画で考える生命倫理』特集、寄稿や翻訳など盛りだくさんなので、ぜひ買ってください。

メルロ=ポンティ読本

メルロ=ポンティ読本

今年は『知覚の現象学』講読の授業があるので、予習というかメルロ=ポンティの復習というか。正直メルポンは主著くらいしか――それも学部のときに――読んだくらいだったので、勉強になった。
読本シリーズにはいろんなバリエーションがあるが、本書は著作解題をメインにするという姿勢を強く打ち出したもので、欲を言えば、術語説明や「メルロ=ポンティと〇〇」みたいなものがもう少しあっても良いのではと思ったが、ボリュームが少ないわけではなく、これはこれであると嬉しい一冊だろうと思う。

  • 佐野 泰之『身体の黒魔術、言語の白魔術――メルロ゠ポンティにおける言語と実存』

身体の黒魔術、言語の白魔術: メルロ?ポンティにおける言語と実存

身体の黒魔術、言語の白魔術: メルロ?ポンティにおける言語と実存

筆者の佐野さんからご恵贈いただきました。ありがとうございます!
第一部が『行動の構造』と『知覚の現象学』にかんする最新の研究を踏まえた著者なりのまとめとなっており、第二部以降が本書の独自性がより強く発揮される文学論のパートとなっている。
メルロ=ポンティと言うと、「身体」の哲学だとか、心理学と現象学の関係というイメージばかりが先行してしまい、ヴァレリー論をはじめとして彼が優れた文学論を残していることはあまり知られていないのかもしれない。本書はそんなメルロ=ポンティの文学論の分析を通じて、新たな言語哲学と実存思想を紐解く試みであり、筆者の力強くも綿密な読解に、勝手ながら勇気をもらった。私も早く追いつけるように頑張らんと。

楽園をめぐる闘い: 災害資本主義者に立ち向かうプエルトリコ

楽園をめぐる闘い: 災害資本主義者に立ち向かうプエルトリコ

いただきました。いつもありがとうございます。プエルトリコにおけるショック・ドクトリン(本書では「災害資本主義」と訳されている)の分析は、我々もまた重く受け止めなければならないし、口先だけの連帯で終わってはいけない。それは訳者も指摘するように、沖縄の問題にとどまらず、東日本大震災東京電力を巡る問題も然りである。災害ではなくとも、なにかしらの祝祭のただなかで、それにかこつけて政府と資本が手を結ぶ歪な新自由主義が加速することはこれまで何度も見てきたし、今も着々と行われていると思っている。
本書を読んで、いわゆる日本の左派の大多数よりも新自由主義の側の方が、ナオミ・クラインが指摘するショック・ドクトリンをより良く理解しているのではないかと悲しくも思った次第である。

  • 朴 一功『?◉! 哲学の話』

??! 哲学の話: 哲学の話 (学術選書)

??! 哲学の話: 哲学の話 (学術選書)

司書泣かせなタイトルである。ちなみに?と!の間の記号は正しく目玉マークである。西周も登場とのことで購入した。
著者は古代ギリシア研究の泰斗だが、その知見がいかんなく発揮させているのはもちろん、ベテランであるがゆえに出せる落ち着きつつも、読者を引き込むような丁寧な文章になっている。

  • マシュー・レイノルズ(秋草 俊一郎訳)『翻訳:訳すことのストラテジー

翻訳 訳すことのストラテジー

翻訳 訳すことのストラテジー

A Very Short Introductionシリーズの1冊。私の関心である哲学の翻訳や翻訳の哲学に直結するというよりは、翻訳という複雑で豊かな営み一般を知ることができるというもの。原著の文献リストは随分素っ気ないので、訳者による文献案内が丁寧でありがたい。

  • G.H. ミード『西洋近代思想史(下)』

西洋近代思想史―十九世紀の思想のうごき〈下〉 (講談社学術文庫)

西洋近代思想史―十九世紀の思想のうごき〈下〉 (講談社学術文庫)

19世紀フランス哲学史の勉強用その1。
巻末に「19世紀のフランス哲学」と題された100ページ以上の付録がある。当該分野の専門家が推していたので、みんなも読もう。

  • スタール夫人『ドイツ論 (3)』

ドイツ論 (3)

ドイツ論 (3)

19世紀フランス哲学史の勉強用その2。
男爵夫人だし時代的致し方ないところではあるが、やはりアンヌ・ルイーズ・ジェルメーヌ・ネッケールないしアンヌ・ルイーズ・ジェルメーヌ・ド・スタールときちんと彼女の名前で呼ぶべきだろう。19世紀初頭のフランス知識人によるドイツロマン主義の受容が溌剌と語られる。

  • Emile Bréhier, Histoire de la philosophie. tome 3

19世紀フランス哲学史の勉強用その3。名著と言われるし、まあ持っていてもいいかなということで。

kindleで安かったので全巻買ってしまった。最近は通学時間はずっとぼのぼの

  • Bernard Stiegler, Ce qui fait que la vie vaut la peine d'être vécue : De la pharmacologie

Ce qui fait que la vie vaut la peine d'être vécue

Ce qui fait que la vie vaut la peine d'être vécue

授業で読んでいる本。これまでスティグレールに触れたことがなかったので、どんなもんかなと思いつつちまちま読んでいる。

  • Johann Michel, Ricoeur et ses contemporains

Ricoeur et ses contemporains

Ricoeur et ses contemporains

リクール読書会にて追加で読むことになった。タイトルから、「リクールとデリダ」「リクールとフーコー」みたいな論文が並ぶのかなと予想したが、しっかりとテーマを設けて突き合わせる感じで、リクールという人を読む上ではこういうスタイルが適しているのだろうなあと思ったり。